【5月19日】雇用調整助成金申請の更なる簡略化
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  • 執筆者の写真藥井遥(社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント・1級FP)

【5月19日】雇用調整助成金申請の更なる簡略化

5月19日、雇用調整助成金の支給要領が改訂され、支給申請の手続きがさらに簡略化されました。


変更点は以下の通りです。



①計画届の提出が不要になりました。

 (生産性要件に関する申出書や休業協定の写しなどは、支給申請時に添付する)


②支給対象期間の初日が5月31日以前の申請については8月31日が提出期限になります。


③計画届が不要になったことに伴い、生産性要件は休業した月(又はその前月、前々月でも可)と前年同月比とを比較することになります。


④小規模事業主(フルタイムで常時勤務する労働者数がおおよそ20人以下の規模の事業主)については、助成額の算定の基礎となる賃金額は「実際に支払った休業手当の額」で算定が可能となります。


⑤小規模事業主については、休業規模要件の確認について、従業員2人 あたり1日以上休業していることを確認できれば、当該要件を満たしていることになります。


⑥小規模事業主については、実際に休業等をした日が令和2年4月1日から令和2年6月30日の期間(緊急対応期 間)を1日でも含む場合は、当該休業日を含む判定基礎期間の中で適用され る最も高い助成率を当該判定基礎期間すべての休業等の実施日に適用することができます。


⑦小規模事業主以外の会社についても、助成額の算定基礎となる1日あたりの賃金額は、前年度の確定保険料申告書ではなく「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般用)の様式」等を任意の1 か月(ただし、通常の所定労働日数より明らかに少ない月を除く。)の月間所定労働日 数で除して1日分として計算することができます。


⑧前年度の確定保険料申告書で助成額の算定基礎となる1日当たりの賃金額を算定する場合において、「所定労働日数」(年間での算定)(確定保険料申告書を活用して算定する場合) 年間所定労働日数は、前年度の任意の1か月(ただし、通常の所定労働日数より明ら かに少ない月を除く。)の月間所定労働日数に 12 を乗じた日数により算定することがで きるようになりました。


⑨休業手当等の支払い率が労働者により異なっている場合、当該支払率が適用される労働者 数が最も多い支払い率により支給申請をすることができるようになりました(労働者数による加重平均によって算定した支払率によることも可)。



これに伴い、支給申請書、助成額算定書、実績一覧書、支給要件申立書が一つのエクセルファイルにまとめられ、ある程度の事務の省略可が期待できるものと思われます(新様式はこちらからダウンロードできます)。


また、現在助成額の日額上限(8,330円)が15,000円程度まで拡大される方向で検討がされているようです。

これまで改訂に改訂が重ねられてきた雇用調整助成金ですが、今後もまた制度見直しもあるかもしれません。



「提出」が不要になった書類、「作成」が不要になった書類の区別を

このように、今回の大幅改定で提出が不要になった計画届ですが、千葉労働局においては支給申請時も「休業協定の写し」を添付する必要はなくなっています(労働局により取扱は異なります)。


ただし、休業協定については、主旨は「休業に関した取り決めを労使で予め約しておくもの」ですので、提出が不要になったとしても「作成」を免れるものではないことに注意が必要です。

(これに対し「計画届」は労働局に対しての届出書ですので、提出の必要がなくなったことに伴い作成する必要もなくなるのではないかと考えます)


事後の労働局による調査においても確認されることになるでしょうし、休業(教育訓練)協定、労働者代表者の選任届や労働組合の組合員名簿などはこれまで通りしっかり作成し、会社で保管しておくことをお勧めいたします。



※弊事務所では申請代行の依頼を承っていますが、それ以外で個別に助成金についてご質問にお答えすることはできません。助成金については労働局の職業対策課までお問い合わせください。


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