​法改正・リスク対応型の就業規則の作成・変更

なぜ、就業規則が大事なのか

就業規則は、事業場における従業員(パートタイマーやアルバイト含む)が10人を超えると作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません。

さらに作成した就業規則は、事業場の見やすい場所に提示するなどして周知をする必要があります。

このように、就業規則の作成は法律上事業主に義務付けられているところですが、就業規則は「ただ作ればいい」というものではありません。

​「モデル規程」の落とし穴

厚生労働省が公表するモデル就業規則の規定例をそのままパート社員を含む

全社員に適用していた場合、どのようなリスクが考えられるでしょうか。

例えばモデル規則では、一定要件を満たした者に対して賞与を支給する旨

を定めています。

実態として職務の範囲等を理由としてパート社員等には正社員と異なる

計算方法で支給したいとしていても、このモデル規程をパート社員含む

全社員に適用させていた場合、パート社員から規則通りの賞与額を請求

されてしまいかねません。

基本的に、個別の労働契約において、就業規則に満たない条件は無効と

なり、就業規則の内容にまで引き上げられるからです(労働契約法12条)。

​このようなケースでは、きちんと正社員に適用させる就業規則と、パート社員に適用させる就業規則を分けて規定しておく必要があります。

勤務成績による昇給・降給ができない!?

社員の勤務態度や勤務成績によって昇給や降給を行いたいと考える経営者は多いと思います。

一般的に昇給(昇格)を行う場合はあまり問題にはならないですが、例えば勤務態度や成績が著しくない社員に対して降給(あるいは降格)をする場合は注意が必要です。

昇給(昇格)や降給(降格)に伴い賃金や処遇を変えていこうとする場合、その根拠となる賃金制度や人事制度等を就業規則に規定し、労働条件通知書に会社が定める賃金制度に基づき賃金の改定を行う可能性について記載しておくことが必要です。

(降給を行うためには、これまでの判例では「職能資格の引下げとしての降格は、労働者との合意によって契約内容を変更する場合以外は、就業規則等の明確な根拠規定が必要である」とされています。)

​降給や降格についての注意点については、コラムで詳しくご説明していますので、ご参照ください。

法に定めのない部分は、就業規則が「原則ルール」となる

法定労働時間や休日の付与、最低賃金など、労働基準法やその他の法律等で規定されている部分については、例え就業規則がなくても当然法律に定める基準が適用されます。

​しかし、賞与や退職金、休暇制度や休職制度、試用期間制度等、特段法律による規制がされていない部分については、会社がルールを決める必要があります。

(法律上制度を入れる義務はないものの、もし賞与や退職金、費用負担や職業訓練や制裁規定などについて制度をいれる場合には、必ず就業規則に記載しなければなりません)

・賞与としていくら、いつ、だれに対して支払うのか?

・休職制度が利用できる対象者はだれで、最長何年で、復帰を決めるときの手続きはどうするのか?

・規則上のどんな服務規律に違反すると、どのような制裁措置があるのか?

​上記はほんの一例ですが、少なくともこういったことをあらかじめ就業規則に定めておかなければ、いざという時の根拠を示すことができず、労使間のトラブルに発展してしまいかねません。

また労働トラブルが民事上で争われることとなった場合、就業規則に規定されていないことは予め明示された労働条件ではないとして、認められない可能性が高いのです(労働条件の一方的な変更は原則できません)。

就業規則を通じて、会社の思いを社員に伝える

就業規則の役割は、会社の働くうえでのルールを定めるだけではありません。

​「会社としての方向性」「会社が大事にしたいこと」「社員に対する気持ち」などを載せることで、社員へメッセージを発信することもできるのです。

会社の成長のためには、会社の描く理想の姿を社員が理解し、全員が同じ方向を向いて進んでいくことが重要です。

就業規則は社員全員が目を通す「会社で働くときのしおり」です。ぜひ、就業規則に「経営理念」「社員へのメッセージ」「会社が理想とする姿」を盛り込んでください。

​無期転換ルールの対応、済んでいますか?

「無期転換ルール」とは、有期雇用労働者の契約が通算5年を超えて更新されたとき、労働者からの申出があれば契約を無期労働契約に転換しなければならないというルールです。

無期転換後の労働条件は、原則無期化前と同じで構いませんが、人事戦略の観点から

無期転換社員の職務内容や賃金等の労働条件の見直しを行う際は、就業規則に定めるなどの措置を予めとる必要があります。

また、無期転換した社員の定年制度を定めておく必要もあります。

​有期雇用労働者の「契約更新の上限年齢」を定めていたとしても、それはあくまでも「有期雇用契約」を前提とした更新の条件の一つにすぎません。

無期転換した社員に適用される規定に「無期契約の終了事由の一つとしての定年制度」を設けておかなければ、無期転換社員は退職事由や解雇事由に該当しなければ無期労働契約を終了することができず実質「終身雇用」となってしまいかねません。

様々なリスクに対応する規定をつくる

弊事務所は、就業規則を作成する前にヒアリングを行い、法改正への対応も踏まえ、考えうる様々な労務リスクに対応する規定をご提案します。

職場に合った就業規則とは、なにも法律上の要件を備えているものだけではありません。

職場の規模、社員構成、雰囲気、これまでの慣行、そして会社の考え方や方向性等、様々な要素により規定すべき内容は変わってくるはずです。

具体的な就業規則の作成・変更業務の流れは以下の通りです。

1.ヒアリング実施(基本1回、必要に応じて2回~)

  会社の方針、社員構成、法改正を踏まえた対応、現状課題など

  のヒアリングを行います。

2.就業規則案の提示のための面談(1回)

  ヒアリング内容を踏まえた案を提示いたしますので、内容を確認

  いただき、適宜修正を行います。修正はご遠慮なくおっしゃって

  ください。

3.最終案で調整(メール媒体など)

  最終案が整いましたら、お客様の方で社員への説明会や意見聴

  取を行ってください。ご希望があれば説明会に同席いたします。

 

4.弊事務所が監督署へ届出

  意見書と変更届を添付し、出来上がった就業規則は弊事務所が

  届出いたします。

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