事業の再構築や新規事業の立ち上げに際し、利益( = 売上 ‐ 費用 )を出すことが重要命題になります。慈善事業でない限り、赤字のままで事業を継続することは許されず、黒字化がMUSTになります。
そこで今回は、事業の損益を考える上で、とても重要かつ有用となる損益分岐点について考えてみたいと思います。
損益分岐点の説明ではよく専門用語と数式を目にしますが、ここではイメージしてもらうことを優先し、図(グラフ)を使って考えてみたいと思います。以下に、6つのグラフ(①から⑥)を示します。
例として事務所や店舗の賃借料、人件費、水道光熱費、減価償却費等が挙げられます。
図②は変動費を表したもので、変動費は売上(販売数)に比例して変動(増減)し、例として原材料費や製造費、販売手数料等が挙げられ、売上がない場合は発生しません。
固定費と変動費を合わせたもの(図③)が、事業運営で発生する費用の総額になります。
利益を出すためには、売上が費用総額を上回っていることが必要になります。
売上については図④のように表すことができ、売上は販売数に比例して増減していきます。
費用(図③)と売上(図④)のグラフを重ねると、図⑤のようになります。
利益 = 売上 - 費用 であり、損益分岐点とは売上と費用が一致している点、つまり利益が0になっている点であり、損益分岐点における売上高が損益分岐点売上高となります(図⑥)。
売上高が損益分岐点売上高を上回っていれば黒字になり、損益分岐点売上高を下回っていれば赤字になります。図⑥では、損益分岐点売上高の左側(売上が費用を下回っている部分)では赤字(損失)、損益分岐点売上高の右側(売上が費用を上回っている部分)では黒字(利益)となっています。
損益分岐点売上高は損益の分岐、即ち、どのくらいの売上をあげれば赤字にならないのかを示す指標であり、事業の再構築や新規事業の立ち上げを考える上で、常にこの指標を意識していくことが重要になります。
利益を増やすために真っ先に思い浮かぶのが、いかに売上を増やすかということですが、ただ単に売上を増やすだけでは、思ったほどに効果があがらないことがあります。そこで、利益を増やすために、いくつかの施策があることを知っておくことが有益になります。
次回は、そのような施策について考えてみたいと思います。
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