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第14回:損益分岐点の引き下げ/収益構造の改善

  • 執筆者の写真: s.takashi
    s.takashi
  • 2024年11月14日
  • 読了時間: 3分

更新日:10月16日

今回は、前回お話した損益分岐点を踏まえ、どのように収益構造の改善を図る(利益を増やす)ことができるのかについて考えてみます。



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収益構造を改善させることは、即ち、損益分岐点を引き下げることに他なりません。損益分岐点を引き上げるためには、大きく次の4つに分けて考えることができます。


l  販売価格を上げる。

l  販売数量を増やす。

l  固定費を削減する。

l  変動費を削減する。

 


では、それぞれについて見ていきましょう。



1.販売価格を上げる

費用が変わらない中で販売価格を上げることができれば、商品1つあたりの利益を上げることが可能になります。しかし、一方的に販売価格を上げてしまうと顧客離れが起こり、逆に販売数量が減ってしまうことになりかねません。結果として売上の増加につながらない可能性がありますので、十分に注意することが必要です。

販売価格を上げる時には、顧客が納得して値上げを受け入れてくれるような理由を提示することが重要になります。これまでに述べてきたいくつかのフレームワークやメソッドを使い、顧客が前向きに値上げを受け入れてくれるような商品を開発して作り上げていく活動が重要になります。

 

2.販売数量を増やす

販売数量を増やして売上を増やすことは、最もわかりやすい方法と言えます。よくあるのは、値引きにより販売価格を下げることで販売数量を増やすというケースです。確かに販売数量は増えますが、値引きの分だけ利益が減少しますので得策とは言えません。

値引きをしないで販売数量を増やすためには、新規顧客を開拓する、販売チャネルを増やす、プロモーション活動を強化する、等々の施策が考えられます。ただし、これらの施策実施時には変動費も相応に増えることになるため、変動費の増加を抑える、または増加を上回るような販売数量の増加を達成することが必要になります。

 

3.固定費を下げる

売上が伸びない中で固定費を下げることは、利益の向上にとても効果があります。しかし、下げ方には注意が必要です。

固定費の代表的なものに従業員の給与がありますが、むやみに引き下げると従業員のモチベーションダウンや離職等につながり、販売活動に悪影響を及ぼすことになります。

固定費については無理くりに削減するのではなく、事務所賃料の見直しや諸々の契約条件の見直し、業務プロセスの自動化・RPA(Robotic Process Automation)化等により、無理のない削減を図っていくことが必要です。

 

4.変動費を下げる

変動費は売上に比例して変動することから、販売価格を維持したまま変動費を下げることができれば、利益の向上につながります。しかし、変動費を下げるために品質を下げる、販促費を下げる等した場合、顧客離れが起きて販売数量が減少する可能性があります。また、下請けに値下げを強いた場合、諸所の面でトラブルが発生する可能性があります。

変動費の削減については大量仕入れによるコスト削減、顧客ロイヤルティ向上によるリピート率の向上等、品質を維持したままで変動費を下げる方法を検討することが得策と言えます。

 

以上を図示すると、下表「収益構造の改善(損益分岐点の引き下げ)」のようにまとめることができます。


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