快適職場づくりの具体的手法とは

職場における人間関係の重要性

職場での人間関係は、仕事上の役割関係だけではなく、私的な関係も交じり合うことになり一般的に極めて複雑な様相を示します。

職場のだれかとの関係が安心でき信頼できる関係であると、マズローの欲求理論をもとに考えれば、人間の基本的な欲求である「所属と愛情の欲求」が満たされ、それを礎に「承認の欲求」を高めて自身の存在意義を確かめ、職場での「居場所」を感じることができます。


​さらにそれをもとに自信の可能性を最大限発揮したいという「自己実現の欲求」を満たそうと、仕事上の成長や積極的な問題解決に取り組むワークモチベーションも高まることが期待できます。

このように、職場における人間関係をより望ましいものに発展させることは、職場環境を改善するという目的に照らして極めて重要な意味を成し、多くの組織にとっての共通課題であるといえます。


働く人を取り巻く職場環境

近年の急激な技術革新、ICTなどの高度情報化の進展などにより産業構造が大きく変わり、それに伴い人材の流動性の加速、働く人の高齢化などによって労働環境が変化しつつあります。


これらの変化は、仕事の質の高度化や仕事量の増加、人間関係の希薄化、職業意識や働くことの意識の変化などを引き起こし、これらは時として疲労の増加やストレス要因にもなっており、職場での働きやすさ、働き甲斐を低下させてしまいます。



いまこそ、快適な職場づくりを目指してみませんか

今後も労働力人口は減少していきます。

働く人の意識も変わり、一つの会社で定年まで勤めあげるこれまでの常識も変わりつつあります。


働く人は、よりよい職場環境や、自らがスキルアップできる環境を目指して、色々な会社を渡り歩くことがより一般的になってくるでしょう。

​そんな中、一人でも多くの社員が定着し、戦力になり得るような職場づくりは、避けては通れない会社の存続をかけた使命ともいえます。

「具体的に何をすればいいのかわからない」

「自社で具体的な課題がわからない」

人手不足の中日々の業務に追われ、快適職場作りというテーマの必要性は認識していても手を付けれられずにいる、というのが多くの会社の実情だと思います。

しかしそれでも、敢えて、時間を割いてこのテーマに取り組んでみませんかというのが弊事務所の考えです。

職場の課題をあぶりだすという作業は、面倒で気が重いに違いありません。

それでも、トップが職場に気を向ける、理解しようとする、その姿勢そのものが重要なのです。

​そういったトップの姿勢を、社員はよく見ています。

難しいことではありません。

ほんの少し、他者理解の精神をもって、職場が何を感じ考えているのかを知り社内で共有するのです。

​職場環境の快適化の基本的な考え方

快適な職場づくりの進め方の基本的考え方は、

①企業、事業所のトップが率先して推進の方針を表明し体制をつくる

②全社員の参加を求める

③社員の主観的な感じ方を出発点にする

④改善策の作成は現場の声に基づく

とされています。

​これらの基本的な考え方を軸に、職場環境の快適化のための具体的な進め方について説明していきます。


①トップの決意と方針の決定

快適職場つくりは、社員がいくら問題意識を持ってもトップがその気にならなければ組織や職場全体での改善活動は実現しません。

快適職場つくりを進めるための第一のステップは、トップ自らが問題意識を持ち、職場改善を行っていくという意思表示を社員に対して行うことです。


②推進体制の整備

トップによる表明が済んだら、快適職場づくりの推進責任者と社員を選任します。

推進チームの会議においては、まず改めてトップから取組の目的と企業としての意思表明を行い、推進チームのスタッフ自身の理解を深めることが重要です。

推進チームにおいては、快適職場づくりの実施プランを検討し作成していくことになりますが、この際は社会保険労務士や産業カウンセラーなどの外部専門家をアドバイザーとして参加させることが効率的でしょう。

この実施プランの作成の中で、職場環境調査票の種類や、その結果検討のためのミーティングでの討議方法などを決めていきます。具体的には、どの調査票を利用し、加工の必要はあるのか、調査票の交付の時期、結果を踏まえたミーティングの開催時期、などを検討していきます。

なお、ミーティングは原則として全組織一斉に行い、職場内の社員の全員参加が前提であるものの、まずは特定の職場をモデル職場として始めることもあります。


③職場環境調査票の選定

前述の社員に対して行う「職場環境調査票」は様々なものが開発されており、その実施目的や内容に応じて、推進チームで選定することになります。

その際、職場環境調査の項目の中にハード面としての「環境」を調査する項目、すなわち「作業環境」「作業方法」「疲労回復支援施設」「職場生活支援施設」についても視野にいれるかどうかも、職場ごとに検討します。

​職場環境調査票の種類は、以下のようなものがあるので参考にしてみてください。

・「快適職場調査(ソフト面)」中央労働災害防止協会

・「職業性ストレス簡易調査票」厚生労働省

・「HRMチェックリスト」労働政策研究・研修機構

​・「メンタルヘルス改善意識調査票」産業医科大学


⑤職場環境調査結果の評価・分析

調査票によっては、分析ツールが標準装備されているものがあります。(快適職場調査、メンタルヘルス改善意識調査票、職業性ストレス簡易調査)

分析にあたっては、回答者の属性によって比較分析する必要がありますので、「事業所用」と「従業員用」に分かれた調査票を用いるときは、それぞれを別に分析します。

会社用側と社員側にその項目の平均値にずれがあれば、その領域に問題がある可能性があると分析できます。

​推進チームは、調査結果をわかりやすく表やグラフにしてまとめた報告書を作成し、できるだけ速やかに職場に報告書を配布します。それを事前に読み、あらかじめ職場環境の問題点あるいは改善課題を認識したうえで、ミーティングに参加してもらうようにしましょう。


⑥職場ミーティングの開催

この職場ミーティングのねらいの一つは、社員が職場についてどのように思っているかを共有することであり、また調査結果から職場環境についての具体的な問題点を抽出し、その改善策の立案と実行体制を、当事者である職場の管理者や社員が全員参加する場で決めることにあります。

それにより社員が職場環境問題にかかわり、その改善に当事者意識をもつ効果があります。

職場ミーティングの大まかな流れは以下のようになります。

①問題点を抽出・共有する

②取組課題の改善策の立案

③改善策の実行耐性を考える

④改善策を実施した結果の評価をする

ミーティングの運営で最も大切なことは、出席した社員が職位や職場内の関係から生じる遠慮などに左右されず、安心して本音で話し合える雰囲気をつくることです。また、相手を攻撃したり批判したり、愚痴をいったりというネガティブな発言も抑え込まず、ポジティブに受け止める雰囲気が重要になります。

​そのためには第三者的中立的な立場からミーティングのファシリテーションを行う人を選任することが効果的です。

当然、改善策の立案と実行の段階まできた後は、その改善策が効果があったのかという視点で翌年も同様の快適職場調査票を実施するなどの継続的な取り組みができると、より効果的です。

これらのように快適職場づくりの実施プランを策定したり、職場ミーティングのファシリテーションを行うなどは専門的な労務管理の知識や技能を必要とし、外部の中立的な専門家を招いて全体のアドバイザー的なポジションにおいておくことで会社側の負担も軽減できます。

弊事務所ではこれら一連の取組の外部アドバイザーとして、会社の快適職場づくりのお手伝いが可能です。

​興味があればぜひ弊事務所までお問い合わせくださいね。

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