2021年1月以降の改正一覧
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  • 執筆者の写真藥井遥(社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント・1級FP)

2021年1月以降の改正一覧

更新日:2020年12月28日

今年も残すところあとわずかとなりました。

年末調整や年末の締め作業など、何かと忙しい時期ではありますが

2021年の始まりに向けて準備しておきたい労務管理に関係する法改正を解説します。


なお2020年に施行された法改正についてはこちらをご確認ください。




2021年1月からの改正

〇育児介護休業法

育児や介護を労働者が.の看護休暇や介護休暇を柔軟に取得することができるよう、育児・介護休業法施行規則等が改正され、時間単位で取得できるようになる。

【現行】半日単位での取得が可能だが、所定労働時間が4時間以下の労働者は取得できない

【改正後】時間単位での取得が可能になり、全ての労働者が取得できるようになる


※ただし子の看護休暇や介護休暇を時間単位で取得することが困難な業務がある場合は、労使協定を締結することにより、時間単位の休暇制度の対象からその業務に従事する労働者を除外することができます。




〇労働者派遣法

(1)派遣労働者の雇入れ時の説明の義務付け

派遣元事業主に対し、派遣元事業主が実施する教育訓練及び希望者に対して実施するキャリアコンサルティングの内容について、派遣労働者に対する雇入れ時の説明を義務付ける。


(2)労働者派遣契約に係る事項の電磁的記録による作成について

労働者派遣契約の当事者は、書面により作成することとされている労働者派遣契約について、電磁的記録により作成することも認める。


(3)派遣先における派遣労働者からの苦情の処理について

【派遣先指針】派遣先における派遣労働者からの苦情の処理に当たっては、派遣先の労働組合法上の使用者性に関する既存の裁判例や中央労働委員会命令の内容に留意し、特に派遣先に課されている労働関係法令上の義務に関する苦情については誠実かつ主体的に対応すべきことを派遣先指針に明記する。


(4)日雇派遣について

【日雇指針】日雇派遣において、労働者の責に帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合について、必要な雇用管理が適切に行われるようにするため、派遣元事業主は、新たな就業機会の確保ができない場合であっても、休業等により雇用の維持を図るとともに、休業手当の支払等の労働基準法等に基づく責任を果たすべきことを明確化する。




2021年3月からの変更

障碍者の法定雇用率が

民間企業        2.3%

国、地方公共団体等   2.6%

都道府県等の教育委員会 2.5%

に変更。

この改正により、障碍者雇用義務のある企業は従業員43.5人以上の会社に対象が広がることに。




2021年4月からの改正

〇労働者派遣法

(5)雇用安定措置に係る派遣労働者の希望の聴取等

【派遣法施行規則】派遣元事業主は、雇用安定措置を講ずるに当たっては、派遣労働者の希望する措置の内容を聴取しなければならないこととするとともに、その聴取結果を派遣元管理台帳に記載しなければならない。


(6)マージン率等のインターネットでの情報提供について

【派遣法施行規則】労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律により派遣元事業主による情報提供の義務がある全ての情報について、インターネットの利用その他の適切な方法により情報提供しなければならない。


【派遣元指針】派遣元事業主による情報提供については、常時インターネットの利用により、広く関係者、とりわけ派遣労働者に必要な情報を提供することを原則とすること。




〇パート有期労働法

同一労働同一賃金の規定(パート有期労働法の改正法)が中小企業にも適用。

大企業についてはすでに2020年4月から改正法が適用されています。


①不合理な待遇差の禁止同一企業内において、正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者との間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差が禁止。


②労働者に対する待遇に関する説明義務の強化。パートタイム労働者・有期雇用労働者は、正社員との待遇差の内容や理由などについて、事業主に対して説明を求めることができる.


③都道府県労働局において、無料・非公開の紛争解決手続(裁判外紛争解決手続(行政ADR))を行う。

※「均衡待遇」や「待遇差の内容・理由に関する説明」についても、行政ADRの対象となります。


※パート有期労働法の改正法適応の前にチェックしておきたい!「パートタイム・有期雇用労働法等対応状況チェックツール」

https://part-tanjikan.mhlw.go.jp/shindan2/



〇高年齢雇用推進法

現行の法律においては、60歳以上の定年、及び65歳までの継続雇用措置や定年の引き上げ等の雇用確保措置が事業主に義務付けられているところ、さらに70歳までの「就業確保措置」が努力義務として規定される。

65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置の努力義務化

就業確保措置とは具体的に、

・定年引上げ

・継続雇用制度の導入

・定年廃止

・労使で同意した上での雇用以外の措置(継続的に業務委託契約する制度、社会貢献活動に継続的に従事できる制度


2022年4月からの改正

〇女性活躍推進法

 一般事業主行動計画の策定・届出義務及び自社の女性活躍に関する情報公表の義務の対象が、常時雇用する労働者が301人以上から101人以上の事業主に拡大。


2022年6月からの改正

〇労働施策総合推進法

中小企業もパワハラ防止措置義務化の対象に。

大企業についてはすでに2020年6月、パワハラ防止措置義務化が適用されています。

職場のパワーハラスメント対策が法制化され、パワーハラスメントの防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務になりました。

※セクシャルハラスメント、マタニティハラスメント防止措置はすでに全企業について義務化。





2023年4月からの改正

〇労働基準法

労働者が健康を保持しながら労働以外の生活のための時間を確保して働くことができるよう、1か月に60時間を超える法定時間外労働について、法定割増賃金率を5割以上に引き上げ。

引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇(代替休暇)を付与することが可能。代替休暇制度導入にあたっては、過半数組合、それがない場合は過半数代表者との間で労使協定を結ぶことが必要です。



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