国保加入の事業所に必要な「健康保険被保険者適用除外承認申請」とは
- 藥井遥(社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント・1級FP)

- 3 日前
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法人事業所では、原則として健康保険(協会けんぽ等)と厚生年金保険の適用を受けるため、従業員は健康保険の被保険者となります。
しかし、実務上は「法人でありながら国民健康保険に加入している」ケースも存在します。
国保に加入できる法人が存在する理由
そもそも法人は、法律上「強制適用事業所」に該当し、健康保険・厚生年金への加入が義務付けられています。
それにもかかわらず国保に加入している法人があるのは、制度上の特例によるものです。
具体的には、建設業・医師・弁護士などの業種ごとに設けられている「国民健康保険組合」にもともと加入していた事業所や従業員については、一定の要件を満たすことで引き続き国保に加入することが認められています。
その際に活用されるのが「健康保険の適用除外制度」です。
つまり、本来は健康保険に加入すべきところを、特別に除外することで国保組合に残ることができる仕組みといえます。
適用除外申請が必要となる理由
法人事業所に勤務する従業員は、原則として健康保険の被保険者となります。
そのため、国保に加入し続けるには「健康保険を適用しない」という正式な承認を受ける必要があります。
手続きの流れ
適用除外承認申請の一般的な流れは、次のとおりです(国保によっては若干差異がある可能性がありますので、必ずご加入の国保に確認を行ってください)。
1.国保組合へ申請書類を提出
まずは加入している国保組合に対し、「健康保険被保険者適用除外承認申請書」等を提出します。
2.国保組合で証明を受ける
組合が資格要件を確認し、申請書に証明を付し、事業所に返送されます。
3.年金事務所へ提出
国保組合証明済みの申請書を、事業所を管轄する年金事務所へ提出します。
4.承認証の交付
審査後、「健康保険被保険者適用除外承認証」が交付されます。
5.国保組合への写し提出
承認証の写しを国保組合へ提出し、資格の維持・取得が完了します。
なお、この手続きは原則として事実発生日から14日以内に行う必要があり、期限を過ぎると適用除外が認められない場合があります。
とはいえ、手続には上記の通り複雑な事務処理が必要となり、郵送に日数を要するなどして14日以内の手続きが困難な場合もあります。
その場合は、当該やむを得ない理由を記載した遅延理由書(事業主の署名または記名・押印済みのもの)を添付して、年金機構に「健康保険被保険者適用除外承認申請書」を提出してください。
厚生年金の手続きは別途必要
重要なポイントとして、適用除外が認められるのは「健康保険のみ」であり、厚生年金は原則どおり適用されます。
つまり、国保に加入する場合でも、厚生年金の資格取得届は必ず提出しなければなりません。
実務では、健康保険の適用除外申請と並行して、厚生年金の新規適用届や資格取得届を提出する必要があります。
まとめ
法人であっても一定の条件を満たせば国保組合に継続加入することは可能ですが、そのためには「健康保険被保険者適用除外承認申請」という手続きを適切に行う必要があります。
特に見落としがちな点として、厚生年金は上記の手続きとは別に手続きが必要となることを押さえておきましょう。
国保に加入していた個人事業主が法人化した場合や、人員増加のタイミングでは社会保険手続きが複雑になりやすいため、期限管理とあわせて慎重に対応することが重要です。
※本記事に関する個別のご質問は受け付けておりません。
※本記事は、健康保険の出産育児一時金(内払金)に関する一般的な情報提供を目的としており、正確性には十分配慮しておりますが、内容の完全性や最新性を保証するものではありません。具体的な手続きや取扱いについては、加入している健康保険組合や協会けんぽへご確認ください。


