父親が出生時育児休業を取得したときの手続き
- 藥井遥(社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント・1級FP)

- 5月28日
- 読了時間: 4分
最近、ご主人が奥様の産休に合わせて「出生時育児休業」を取得されるケースが増えています。
給付金の種類が増えたこともあり、申請事務が非常に複雑化していると感じます。
今回は、父親となった従業員の給付金の手続のポイントを解説します。
出生時育児休業とは
出生時育児休業(いわゆる産後パパ育休)は、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)まで、父親などが取得できる休業制度です。主に母親の産後時期の負担軽減や父親の育児参加を目的としています。
一定の要件を満たした雇用保険の被保険者が対象に「出生時育児休業給付金」が支給され、休業開始前賃金の約67%が支払われます。
出生後休業支援給付金とは
出生後休業支援給付金は、前述の「出生時育児休業給付金」と名称がよく似ていてややこしいのですが、また別の給付金です。
2025年4月から制度が開始しました。
出生後休業支援給付金は、子どもが生まれた直後に夫婦がともに14日以上の育児休業または出生時育児休業を取得し、育児休業給付金または出生時育児休業給付金の支給を受ける方に上乗せでもらえる給付金です。
育児休業給付金や出生時育児休業給付金と合わせると、手取りで休業前の給与のほぼ10割になるように設計されており、子育てと仕事の料率に不安を抱える共働き夫婦の支えとなる制度です。

出典「厚生労働省「教えて!出生後休業支援給付金の話 制度利用ガイド」より抜粋 001600636.pdf
父親が出生後休業給付金を申請するときの要件
父親の場合、「この出生日または出産予定日のうち早い日」から、「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間に、14日以上の育児休業や出生時育児休業を取得している必要があります。
父親が育児休業や出生時育児休業を取得した場合は、「夫婦ともに14日以上の育児休業または出生時育児休業を取得していること」という要件が緩和されることがポイントです。
父親は、母親が育児休業を14日以上取得していなくとも、「子の出生日の翌日に母親が産後休業中であれば」出生後休業支援給付金の申請が可能となるのです。
母親の立場で給付金を申請するのか、父親の立場で給付金を申請するのかで要件が違ってくるところが、ややこしく感じるかもしれません。
夫婦がともに出生時育児休業や育児休業を取得したときの給付金のイメージ図が、厚生労働省の「育児休業制度特設サイト」に示されています。
図式化すると分かりやすいですね。

父親の出生時育児休業給付金と、出生後休業支援給付金を一体で申請する場合一体の手続き
会社の従業員が「父親側」だった場合の手続きについて解説します。
【例】父親である従業員が、母親の産後休業中に2週間の出生時育児休業を取得したケース。
今回は、出生時育児休業給付金と出生後休業支援給付金を一体で申請します。
【提出書類】
①雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
②育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
【添付書類】
①賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、育児休業申出書など
②母子健康手帳の出生届出済み証明のページと、分娩予定日が記載されたページ
ほとんど育児休業給付金の申請と同じ添付書類ですね。
違うのは、「配偶者(母親)の育児休業を要件としない場合」に該当するケースのため、母親の出産の事実を確認できる書類が必要なことです。
母子健康手帳の出生届出済み証明のページでもOKですが、その他医師の診断書や出産育児一時金の支給決定通知書でも可となっています。
詳細はハローワークにご確認ください。
育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書の記入例
支給申請書は、基本的に育児休業給付金の申請書とさほど大きな違いはありません。
注意点としては、父親が出生後休業支援給付金を申請する場合は「22」欄の記載が必要であることです。
洩れのないように記載をするようにしてください。

出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」001461102.pdf
以上、父親が出生時育児休業給付金と出生後休業支援給付金を申請する際のポイントでした。
※本記事に関する個別のご質問は受け付けておりません。
※本記事は正確性には十分配慮しておりますが、内容の完全性や最新性を保証するものではありません。具体的な手続きや取扱いについては、管轄のハローワークへご確認ください。


