育児休業中の社会保険料免除とは?実務で注意したい2つのポイント
- 藥井遥(社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント・1級FP)

- 8 時間前
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育児休業を取得した従業員については、一定の手続きを行うことで健康保険・厚生年金保険の保険料が、本人・会社ともに免除されます。
これは企業・従業員双方にとって大きなメリットのある制度です。
免除の対象期間は、「育児休業開始日の属する月」から「終了日の翌日が属する月の前月」までとされております。
ただし、実務上は細かな要件により取り扱いが異なるため、特に以下の点を注意しておきましょう。

①休業開始と同じ月に復帰する場合の取り扱い
育児休業というと基本的には月単位で保険料が免除されるイメージを持つ方は多いですが、「同月内で開始・終了するケース」には注意が必要です。
原則として、開始月と終了翌日の属する月が同じ場合、その月は免除対象になりません。
しかし、令和4年10月以降に開始した育児休業については例外が設けられています。
具体的には、その月に14日以上育児休業を取得している場合には、同月内で復帰していても保険料は免除されます。
例えば、4月1日から4月20日まで育児休業を取得した場合は14日以上となるため、4月分の社会保険料が1か月分まるまる免除されます。
一方、取得日数が14日に満たない場合は保険料免除対象外となるため、給与計算時に誤りが発生しやすいポイントです(ただし取得日数が14日に満たない場合であっても、月末を含む育児休業を取得している場合には、原則通りその月の保険料は免除対象)。
短期間の育休取得が増えている現在、この要件は特に重要な実務論点といえるでしょう。
(↓日本年金機構「育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が改正されます」より抜粋)
②免除月に賞与が支払われた場合の注意点
次に見落とされやすいのが賞与に関する取り扱いです。
育児休業期間中であれば、賞与にかかる社会保険料も免除されるのが原則です。
ただし、こちらも一定の条件があります。
令和4年10月以降の制度では、賞与が支払われた月の末日を含む「1か月(歴日計算)を超える連続した育児休業」を取得している場合に限り免除されます。
つまり、たとえ育休中であっても、
月末をまたいでいない
1か月を超えていない
といった場合には、賞与保険料は免除されません。
例えば、7月10日から8月5日までの育休中に7月賞与が支給された場合、育休期間は1か月未満であり、かつ7月末を含む連続1か月以上の要件も満たさないため、賞与保険料は通常どおり徴収されます。
「育休中だから賞与保険料も当然免除」と誤解してしまうと、後から訂正が必要になるケースもあるため注意が必要です。
逆に、7月30日から1カ月間の育児休業を取る前、7月10日に賞与支給日があった場合、賞与支給日時点ではまだ育児休業には入っていないのですが保険料は免除になります。
(↓日本年金機構「育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が改正されます」より抜粋)
まとめ
育児休業中の社会保険料免除制度は非常にありがたい制度ですが、
同月内復帰時は「14日以上」の要件
賞与は「賞与支給月の月末を含む1か月超の育休」が必要
という点は実務上の重要ポイントです。
人事・給与担当者としては、単純に「育休=免除」と考えるのではなく、日数や期間の要件をしっかり確認しながら、正確な保険料処理を行うことが求められます。
制度理解を深めることで、ミスの防止と従業員への適切な対応につなげていきましょう。
※本記事に関する個別のご質問は受け付けておりません。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、正確性には十分配慮しておりますが、内容の完全性や最新性を保証するものではありません。具体的な手続きや取扱いについては、管轄窓口へご確認ください。



